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緑内障と再生医療

iPS細胞とES細胞② ~緑内障に応用される日は近いのか~

今回の研究結果で一番注目すべき点は、どちらの研究も「ヒトの細胞から作製した網膜神経節細胞を培養可能にした」ということです。これにより動物モデルではなく、ヒトの細胞で病態の解析をすることが可能となり、しかも軸索を保った神経細胞なので、緑内障をはじめ視神経疾患の研究の発展に大きく貢献するであろう画期的な結果をもたらしました
緑内障と再生医療

iPS細胞とES細胞① ~緑内障に応用される日は近いのか~

2017年末から2018年の春、世界初のiPS細胞を用いた眼科疾患の臨床研究の成果をまとめた論文や、iPS細胞やES細胞を用いた網膜神経節細胞の作製に成功した論文が発表されました。眼科疾患におけるiPS細胞の臨床研究の動向や、iPS細胞とES細胞を用いた網膜神経節細胞の作製の成功、今後の緑内障治療予測につきご紹介します
緑内障治療の最前線

緑内障とミトコンドリア ~様々なミトコンドリア研究~

緑内障は目薬等で眼圧を下げる治療が行われていますが、視神経の眼圧に対する強度は個人差が大きく、どこまで眼圧を下げればよいか判断する方法がありません。今回の研究により、軸索流を観察することで、視神経の状態をミトコンドリアの様子から判定でき、患者さんの眼圧が視神経にとって適切かを見極め、治療方法を選択できる事が期待されます
緑内障治療の最前線

サプリメントは「眼に効く」のか? ~食品成分の臨床研究と治療への可能性~

食品成分の研究によるサプリメント治療の可能性 最近、「眼科に役立つサプリメント」という特集が、医師や医療関係者が購読する医学専門誌に掲載されました(*1)。これまで医学における「サプリメント」の位置づけは、よく言われる「科学的根拠」の観点...
緑内障治療の最前線

インスリンで緑内障の視力が回復 ~変性した視神経のカンフル剤として~

今回ご紹介する研究では、インスリンの投与によって、変性して死にかけた神経細胞を再生し、視力を維持しただけでなく、視力を「回復」させることに成功し、緑内障における視力喪失に有効な視神経再生治療薬としてインスリンが使用できる可能性が出てきました。現在、博士のチームでは、マウスではなく人に応用する研究が進められています。
緑内障治療の最前線

「眼圧」以外の新たな治療法への道

日本では正常眼圧緑内障患者が約70%と多く、眼圧以外の治療法の開発が必要 緑内障は、日本だけでなく世界中の国で中途失明の原因疾患として上位にランクされている重要な疾患です。そのため、世界中で治療法の研究が行われていますが、国により研究傾向...
緑内障治療の最前線

緑内障と女性ホルモン ~エストロゲンが視神経保護治療のヒントとなる可能性~

第121回アメリカ眼科学会において「エストロゲンは、緑内障患者の視神経損傷を保護している可能性が高い」ということが発表されました。現在、神経保護治療薬の開発に向けた、エストロゲンの作用機序解明の研究が行われています。また、男女の性差からエストロゲンの働きを明らかにし、より患者毎の病状に合った治療への研究も進んでいます。
緑内障治療の最前線

人工知能(AI)と緑内障

緑内障診断と機械学習モデル 最近、よく耳にする人工知能(以下、AI)。 医療分野においてもAIを活用する研究が盛んになってきましたが、その中でも緑内障の診断に関係する研究が発表されましたので、ご紹介します。 理化学研究所と東北...
緑内障治療の最前線

緑内障における「房水」を科学する ~微量な物質から見えてくる緑内障のメカニズム~

緑内障の発症や進行の危険因子の一つである眼圧上昇は、房水の分泌量と排出量のバランスが崩れることにより生じます。今回は、緑内障における「房水」について着目し、最近の測定技術によってごく微量の物質でも検出可能となった、房水内の「生理活性物質」の研究についてお話ししたいと思います。
緑内障患者のQOL

自動車の運転と緑内障の研究

「交通眼科」という分野における、最新の緑内障の研究をご紹介します。このような研究に携わっている研究者の共通の願いは、安易に緑内障患者を運転停止、免許返納にもっていくようなことはすべきではないということです。それは、「車」は生活の足であったり、仕事であったり、緑内障患者のQOLそのものであるからです